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  • 1-3-2 たったの五千六百円なのよ・・・
    安部公房作 カトレア読書会演出 「友達」 2006年11月30日(木)~12月3日(日) 手織座にて

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2007年1月12日 (金)

宮本研「明治の柩」

第三十一回カトレア読書会が中野天神会館にて行われました。参加者は、笠原さん、北川さん、市村さん、白州さん、輿石さん、川崎さん、羽豆さん、秦さん、林の9名。

今回のテキストは、宮本研の「明治の柩」。宮本研の名前は、筆者まったく知りませんでした。昨年「友達」公演の打ち上げに、発見の会で毎回その鬼才ぶりを発揮されている戯作者・上杉清文氏がお出でくださり、その席で氏が我々に推薦してくださった作家でした。

さて、宮本研「明治の柩」。足尾鉱山鉱毒事件で、その人生を賭して、人々のために闘った男、明治の政治家であり元衆議院議員、田中正造の伝記的お話です。NHKあたりでドラマにしても一向に不思議ない大河ドラマのようなお話でありました。

この物語は、足尾の鉱毒で、甚大な被害を受けた農民たちが、1897年、帝都へ「押し出し」(一揆)を起こすところから始まります。当時、農民の鉱毒反対運動が激化し、東京へ陳情団が押しかけた時には、まだこういった運動には名前がついておらず、農民らは自ら「押し出し」と呼んだそうです。
押し出しに加わりやがて先頭をきる羽目になった、三人の若者、佐十、治助、宗八が、旗中正造(田中正造)と行動を共にし、それぞれ立場の違った生涯を送りながら、やがて、旗中村が貯水池の底に沈む運命に陥ったその日、その強制代執行の場に一同会し、やがて再びそれぞれの人生へ・・・

果たして、田中正造は、人民の為に闘った正義漢か、あるいは原理主義を頑なに貫こうとした狂人か?!歴史的な検証は、その道の方にお任せすることにして、、、

熱い作品でした。決して古びていない。いや、むしろ人民の権利を、一部の権力者たちの私利私欲によって虐げられる構造というのは、今も全く変わらないわけで、足尾の鉱山から流れ出した鉱毒のおかげで一つの村はやがて消え去るという運命は、まるで、今の「夕張」の姿にも重なります。治助はやがて村を捨て、「夕張の炭鉱に行く」と皆に別れを告げるのですが、「夕張」、この当時は夢の新天地である「夕張」が、この21世紀、旗中村とおなじように沈み逝く村となるかもしれない・・・というこの歴史的事実を、夢にも思わなかったでしょう。現在の夕張は市の「財政破綻」と一口にいいますが、これは、税金にまるでシロアリのように巣食った権力者とゼネコンによる税金食いの大被害の成れの果てであり、「人の毒」による新たな鉱毒事件でもあるわけです。

果たして現代の田中正造は現われるのか?!

しかし戯曲としては、歴史大河ロマンだけに、さすがに長かった(--;

3時間20分。。。とはいえ、今年は、長い作品も恐れず読んでいこうと思います。

あ、ト書きに時々、出てくる「あれ」とは、一体なんだったのだろう・・・謎。。。でも、演出し甲斐のある作品でしょう。

来週は、同じく宮本研作品の「美しきものの伝説」を読もうと思います。「明治の柩」「美しきものの伝説」「阿Q外傳」「聖グレゴリーの殉教」の4作を収めた『革命伝説四部作』(河出書房新社)が出版されているのですが、参加者の白州さん所蔵本をお貸しいただき、四作とも是非読んで見たいと思います。

昨年、安部公房の「友達」を読んでいた頃は、「次は赤毛モノやってみたいね~」と、皆でのたまっていたのですが、新年一発目から、ハードに日本文学から始まりました。まぁ、それもまたよしです。とはいえ宮本研の作品群の次は、戯曲読書会の一つの牙城、シェークスピアに是非挑んでみたいと思いますです。

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