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  • 1-3-2 たったの五千六百円なのよ・・・
    安部公房作 カトレア読書会演出 「友達」 2006年11月30日(木)~12月3日(日) 手織座にて

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2006年9月15日 (金)

安部公房「制服」

第二十三回カトレア読書会が9月14日(木)夜、駒込にて行われました。
参加者は、笠原さん、秦さん、輿石さん、林と、後乗り組で北川さん、市村さん、泉くんの7名でした。
今回は先週半分までしか読めなかった安部公房/作「制服」を頭から読み直しました。バックナンバーを読んでいただければ分かると思いますが、既に第八回読書会でも読んでおりまして、あらためて読み直してもやはり面白い作品でした。

【物語】昭和20年の2月、日本が敗戦濃厚になってきた冬、ところは北朝鮮のとある港町。
荒涼とした凍てつく港の風景を背に、巡査の制服を着た日本人の五十男がぼうっと海を眺めている。この男、実は※※・・・
その横には今にも崩れそうな荒れ果てた掘っ立て小屋。この小屋には、「ひげ」と呼ばれる男と「ちんば」と呼ばれる男が、密造酒のドブを作りゴミのように生きていた。
そこへ現れる巡査の制服の男。実は二人の密造酒作りに制服の男も一枚かんでいた。しかし、制服の男は、今日を限りに女房とこの土地を離れ、連絡船で日本に帰国し、貯めた二千円を元手に故郷で暮らすと言う。ひげとちんばは、制服の男を妬みやっかむ。そして酒断ちしていた制服の男が、船の切符を買いに行こうとするところを、無理やり酒を飲ませ酔わせる。
どれくらい時間が経ったのか・・・気がつくと、制服の男は、見知らぬ朝鮮人の青年と二人きり。実は制服の男と朝鮮人の青年は※※になっていた・・。青年は無実の罪を着せられ悲劇にあったのだ。そして、制服の男の身の上にも信じられないことが既に起きていた。二人は、自分達の身に起きた悲劇の真相を、真実を求むべく彷徨う。
やがて、事件を追う刑事、証人として現れる日本人学生、そして真相を知る、ひげや、ちんば、女房を巻き込み物語は意外な終幕を迎える・・・

初期、安部公房の中篇戯曲の傑作だと思います。是非一度読まれるとをお勧めいたします。なのでネタばれしないように、あらすじをボカして書きました。(とはいっても、この書き方だと勘の良い人なら、すぐ分かっちゃいますね(^^;ナハハ)。この作品やその後書かれた「城塞」は、安部公房自身の大戦中の満州での記憶や体験が元に書かれているようです。
安部公房の戯曲は、常に不条理が被っていますが、この「制服」も、かなりシュールです。
安部公房の全作品通じて感じるのは、根底にある強い文明への警鐘と、何人にも折れない固い“芯”があることです。それは誰にも咀嚼できないほどの頑なさで、ぶっちゃけ理解し難い不可解さでもあります。まるでそれは、安部公房が身を持って感じ記憶した、茫漠として凍てついた大陸の凍土と、凍てつく人を想起させます。その漠としたどうにもならなさが彼を培ったのかなとも勝手に想像してしまうのです。当然この芯の固さは、現代の劇作家には、真似したくとも、どうにも真似できるものではありません。最近の劇作家ではケラリーノ・サンドロビッチ氏などに安部氏に共通する不条理世界を感じますが、それは表面的なことにさえ感じてしまいます。安部氏の不条理は、スタイルとして選択し獲得したものではなく、その融けることなき芯の固さ故に、いやがうえにもシュールになってしまったという切実さかもしれません。戦後日本の前衛芸術の旗手、巨匠と呼ばれた安部公房ですが、すさまじき価値観の大転換期に生きた彼だからこそ、その何か抜き差しならぬ思いに駆られた故の有り様、それが彼の前衛だったのかな・・・と思うのであります。(・・・とまぁ、これはセンチメンタルで勝手な個人的見解、、、否、勝手な安部氏への妄想ですのでお許しを)
どうか皆さん、一度、安部公房「制服」を声に出して、「制服の男」や「ひげ」「ちんば」「青年」の役になりきって読むことをお勧めいたします。
今回の12月発表会でも当初は、この作品が候補に挙がっていたのですが、何せ男6人に女1人という配役なので、参加者とのバランスが取れず断念いたしましたが、是非、近いうちに「制服」上演制作委員会を作って上演にこぎつけたいと思います。

とはいえ、カトレアではまだ代表作である「幽霊はここにいる」を読んでいないのが、ミステークではありますが。。。

さて、来週の第二十四回カトレア読書会は9月21日(木)18:30~21:30、駒込にて行います。
テキストは、合宿で読みましたカサハラさん提出のアーノルド・ウェスカー/作「ぼくはエルサレムのことを話しているのだ」に、いわゆる「エピソード1」にあたる作品があるそうで、それを是非読みたいと思います。とても楽しみです。

【今後の日程】
第二十四回  9月21日(木)18:30~21:30 駒込 
第二十五回  9月28日(木)18:30~21:30 駒込 
第二十六回10月 5日(木)18:30~22:00  巣鴨
第二十七回10月12日(木)18:30~22:00 巣鴨
第二十八回10月19日(木)18:30~22:00 巣鴨

☆安部公房作「友達」読み込み週間
10月23日(月)~27日(金)18:30~22:00 巣鴨

☆11月は通常の読書会は行わず、中野区界隈で週5回、発表会のお稽古を行います。是非、お稽古にも気軽にご参加ください。

プロアマ・年齢・性別問いません。どなたでも参加できますので、ご自由にご参加ください。

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