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  • 1-3-2 たったの五千六百円なのよ・・・
    安部公房作 カトレア読書会演出 「友達」 2006年11月30日(木)~12月3日(日) 手織座にて

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2006年8月 8日 (火)

エドワード・オールビー「アメリカの夢」「ベシー・スミスの死」

第十二回カトレア読書会が6月22日(木)夜、駒込にて行われました。

参加者は、秦さん、輿石さん、笠原さん、近藤さん、帆足さん、荒井さん、反町さん、市村さん、北川さん、林の10名でした。
今回は声優である近藤さんと同じ事務所で活躍されている帆足さんも初参加。
初見の読みもバッチリで、さすが声のプロは違います。今後もよろしくお願いいたします。

さて今回のテキストは、このところ日本人作家が続きましたので久しぶりに外国作品が読みたいというご要望から輿石今さんにチョイスしていただき、アメリカ人作家エドワード・オールビーの「アメリカの夢」「ベシー・スミスの死」を読みました。カトレア読書会初のアメリカ人作家でした。

エドワード・オルビー(1928~)1960年代のアメリカで、その痛烈な社会批判と前衛的なスタイルでオフブロードウェーからブロードウェーへ躍り上がり「ヴァージニアウルフなんてこわくない」などの代表作で全世界にその名を知らしめた有名な作家!・・・だそうで、1967年にはピュリッツァ演劇賞も受賞し現在も活躍している作家!・・・だそうですが、やはり今回も私は名前だけ何となく知っていて全く読んだことのない作家でありました。勉強になります。

「アメリカの夢」・・・子供のいない都会のマンションに住む裕福な夫婦、そしてその母。彼らの間で交わされる皮肉たっぷりな無意味な会話。夫婦はかつて養子を貰ったが彼らのエゴからその子を無残な死に追い込む。しかし二人の前に、人間らしい感情も情感も性欲持たない、肉体だけが売りで金の為には何でもするという「ハリウッドスタイル」の美貌の青年が現われ、夫婦は彼を再び養子候補に。「アメリカの夢」と名づけて。
「ベシー・スミスの死」・・・アメリカ南部テネシー州の二流の白人専用病院に勤める白人の看護婦、黒人の雑役、若いインターン。誰もが自分の置かれている立場に苛立ち、どうにもならない現実から何とか抜け出したいともがいている。そんなある晩、かつては“ブルースの女王”と呼ばれ一斉を風靡したが今は落ちぶれて場末の酒場で歌うベシー・スミスが巡業に向かう途中交通事故に合い、供の黒人男によって病院に運ばれてくる。白人専用の病院をたらい回しにされた挙句、彼女は息を引き取ることになる・・・

大戦後も覆っていたアメリカの根拠なき楽観主義と永久に治癒することのなき腫瘍のような人種差別。そんなアメリカの欺瞞を痛烈に批判した作品だと読み取れます。当時の保守的な批評家たちをして「虚無的、不道徳、敗北主義」のレッテルを貼られたようです。さぞかし目をむいたと想像されます。現にオルビーご本人も、そのことを序文に書いておられました。「(前略)この劇は感情を傷つけるものだろうか?私はそうであってほしいと思う。楽しませ笑わせるのと同様に、怒らせるのも私の意図だったのだ。この劇は虚無的で、不道徳で、敗北主義だろうか?さあ、それについては『アメリカの夢』はわれわれの時代の姿―――もちろん私の目にうつった姿そのままであると答えておこう(以下略)」(オルビー戯曲集~まえがきより)時代を撃つ作品というものは常に痛烈な批判の波に晒されるものです。女性の台詞に特に卓越したものを感じました。また当時のアメリカの時代背景などを押さえつつ更に読み込むと非常にビターな味わい深い作品であることは確かです。

とはいえ、たとえば「ベシースミスの死」を僕たちがやるとなると、黒人役はやっぱりシャネルズみたいに靴墨で顔を黒くするんですよねえ・・・ん~~。。。。

次週は近藤さんのリクエストで、時代をググゥ~ッと遡り・・・ギリシャ悲劇?マジな古典を読もうと思います。作品は来週までの乞うご期待。
それでは皆様万障お繰り合わせの上、次回も参加していただければ幸いです。

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